カナダではG7サミットが開かれる予定となっている。日米仏英独伊加の7カ国とEUが参加する会議であり、Group of Sevenと言う意味でありランブイエで第1回のサミットが開かれたものの、今年で50周年の節目を迎えることとなる。今年はカナダのリゾート地・カナナスキスで行われる。以前にもカナナスキスでは行われていて当時はロシア・プーチン大統領も参加しG8となっていた。G8はテロ対策の枠組みを表明するなどしたが、現在は戦争の当事国となるなど国際情勢の様変わりやプーチン氏のしぶとさもみられる。今年のキーパーソンは議長国カナダのカーニー首相であり、政治経験がない代わりにカナダ・イギリスと2国の中央銀行で総裁を務めた経験を持つ。カーニー首相はカナダは51番目の州と発言するトランプ大統領に報復関税をかけ、その後も「カナダは売り物ではない」と主張するなどした姿勢から反トランプの世論を追い風に総選挙を勝ち抜いてきた。トランプ政権とハーバード大学の対立もカナダの留学生も多く在籍する中影を落としている。トランプ関税やウクライナ情勢で溝が深まる中、カナダで前回行われた2018年シャルルボワサミットでもトランプ大統領にドイツのメルケル首相が詰め寄る姿も見られるなど対立が見られた。関係者によると2018年の教訓からカナダはG7の結束を最優先するために首脳宣言を出さずに分野別の文書に留める可能性があるという。山下さんは外交関係者の話として石破総理がマレーシアやインドネシアなどトランプ関税の影響を受ける東南アジアの国を訪問する中、アジアで唯一のサミット参加国として日本は米欧が対立する中アジアの声を届けるべきと紹介している。