シカゴ市内の路上で生活している人の多くは中南米などからの移住希望者たち。バイデン大統領が掲げてきた寛容な移民政策は今、批判にさらされている。移住希望者が急増する中、法的手続きをせずにアメリカ入国を試みたなどとして検挙された人は、今年9月までの1年間で過去最多の約250万人にのぼっている。シカゴ市はこの1年ほどで1万7,000人を受け入れているが、施設が足りていない。このため市は主に黒人が暮らす地区に新施設建設を計画。貧困層が多く、住民は不満をつのらせている。支持層からの反発が強まる中で、バイデン大統領は移民政策の方針転換を余儀なくされている。バイデン政権は先月、トランプ前大統領がすすめた国境沿いの壁の建設を認めると発表した。これに対し、トランプ前大統領はSNSに「バイデンは私が正しかったと証明した」などと投稿した。バイデン政権の移民政策への批判の声はヒスパニック系からもあがっている。アメリカではヒスパニック系の人口が増加。大統領選挙でも影響を与える存在になりつつある。これまで民主党支持層が多いとされてきたが、野党共和党も掘り起こしを図っていて、共和党支持層も増えてきている。移民に寛容なバイデン政権なら暮らしが上向くと期待されていただけに失望は大きくなっている。