アメリカ・サンフランシスコからの中継。今回の米中首脳会談では、軍同士の対話の再開で合意した。バイデン大統領は、会見で、会談の成果として最初に、薬物取締での協力再開を挙げた。アメリカでは、中国が原材料の生産国であるフェンタニルの過剰摂取で死亡する人が急増していて、社会問題となっている。来年の大統領選挙に向け、国内向けにアピールしたかたちだ。バイデン大統領は、建設的で生産的な議論だったと手応えをにじませた。米中両国は、首脳会談での見せ方を綿密に議論したとされ、首脳同士の親密さをアピールする演出で、両国の思惑が一致したかたちだ。アメリカ外交筋は、首脳同士が会うことが成果だとして、期待値を低く設定していた。今回の会談は、いわばダメージコントロールで、アメリカメディアは、米中をより危険なライバル関係へと駆り立てる根本的な要因を緩和することはほとんどないだろうなどと指摘している。