米国大統領選挙におけるバイデン大統領への撤退圧力。ある日本政府関係者は「大統領選は時々刻々変化が起き、先が読めない」と困惑気味に話している。いずれにせよ、同志国との連携強化など、バイデン政権と積み上げてきた成果が今回の大統領選で揺らぐことだけは、なんとしても避けたいところ。バイデン政権内で幅広く人脈の構築に努めるとともに、トランプ前大統領が再選した場合にも備え、共和党とのルートづくりも進めている。大統領選の詳しい情勢分析も進めながら、今後もこうした両にらみの対応を続けていく方針。バイデン大統領は議員たちに撤退を強く否定する書簡を送り、沈静化を図ろうとしたが、党内で沸き起こる撤退論を抑え込めてはいない。とりわけペロシ元下院議長が盟友であるバイデン氏への支持を明確にしなかったことは、衝撃をもって受け止められていて、撤退論に拍車がかかる可能性もある。来週には野党共和党の党大会が開かれ、トランプ氏が正式に候補者に決まる。民主党が候補者を正式に決定する民主党大会も、およそ1か月後に迫っている。態勢の立て直しに残された時間は限られていて、バイデン氏は大きな試練を迎えている。