岡三証券NY・荻原裕司の解説。米国とメキシコとの国境における不法越境者数は4か月連続の前年割れとなっている。バイデン大統領が不法入国対策を強化した他、メキシコ側でもこれまでより厳格化していることが影響しているとみられる。議会予算局は2024年の移民純流入数が高水準を維持すると予想しその場合実質消費を0.2ポイント押し上げると推定、ただ移民の大半を占める不法移民の流入が前年より減少する状況が続けば消費が想定よりも伸びない事態になると考えられる。現時点で移民流入の減速は労働市場の過熱にはつながらないと思う。米国の求人件数はすでに減少傾向にあることから移民を雇用する企業の需要も減少。仮に移民流入の減速が続けば失業に陥る人が減る可能性。現在の経済にとっては歓迎すべき事態。移民減少がこれまで堅調だった消費を鈍化させる可能性があり一部の消費関連企業は影響を受ける可能性がある。ただ失業率悪化の妨げとなることからソフトランディングシナリオは維持され株価は大きな下落にはいたらず底堅く推移すると想定。