アメリカ大統領選挙。民主党の政策綱領にバイデン氏の選挙戦継続を前提にした表現が残っていた。党大会直前の7月になって、バイデン氏からハリス氏に候補者が交代したため、議論のための時間は限られていた。米国の一部メディアは、候補者がハリス氏となって生まれた一体感を損なうような政策論争を、党内で巻き起こさないため、内容を改めなかったのではないかと伝えている。ただ、トランプ陣営は早速、ハリス氏が自身の政策を持っていないことの表れだなどと、攻撃の材料にしている。党大会では、バイデン大統領やヒラリークリントン元国務長官など、党のビッグネームが次々と演説し、ハリス氏の下での結束を訴えた。特に女性で初めて民主党の大統領候補となりながら、トランプ氏に敗れたクリントン氏が、女性の社会進出を阻む壁を意味する、ガラスの天井に言及し「私たちは今度こそガラスの天井を打ち破る寸前まで来ている」と力強く訴えると、会場は一際大きな歓声に包まれていた。ハリス氏がトランプ氏に対抗する候補というだけでなく、個人の魅力や資質を打ち出し、有権者を引きつけられるかが、今後の選挙戦の鍵となりそう。