MLB史上最高額7億ドルの契約をした大谷は二刀流の価値や成績だけでなく残したデータも価値を高めている。MLBが導入している解析ツールスタットキャストはレーダー式の弾道追尾システムた高精細カメラで打球速度や角度、投球の回転数などを分析している。デビット氏はデータからの大谷の進化についてレンジャーズの4連戦で4本塁打すべてが逆方向であった。長打力のある打者は引張方向に打球が向けられるが大谷は片側に力を与えるだけでなくどこにでもホームランを打つことができるという。今季の打球方向は全方向に満遍なく打っている。2018年は左中間、2021年の引張方向の両方を兼ね備えたものとなっている。プレーカバレージを見ると2022年外角高めでホームランを打ったのは0本であったが今季は4本である。去年は外角低めに弱点があったが克服している。走力にも注目していて平均スプリントは秒速、8.75mでMLBの平均を大きく上回っている。動物に例えるとシャチやサメだという。
ソフトコンタクト率は打者に弱い球を打たせたかという数値で打球速度が遅ければヒットになる可能性は低くなる。時速95マイル以上でボールを打てば基本的にはヒットになる。大谷はいつも打者を打ち取るのが得意であるが強打になることはなかった。打たれた球の速度の平均は139キロでMLB全体の上位8％で先発投手で3番目に遅い。167奪三振を積み重ねる要因の1つはスイーパーで曲がり幅の平均は約40cmである。大きな変化はスプリットの使用率がキャリアで最も低かったことである。2018年では22.4％であったが今季は6.5％である。2021年にカットボールを投げるようになり2022年はツーシームを投げるようになった。大谷自身はいいアクセントになっているとしている。