ノーベル化学賞に京都大学の北川進氏が選ばれた。日本人の受賞はアメリカ国籍を取得した人を含めて30人目。化学賞は6年ぶりの快挙。初めて公に姿を表した北川さんは、受賞の知らせをうけたことに、片付けをしていた時に電話がかかってきたので、勧誘の電話かと不機嫌になっていたが、その電話がアカデミーの選考委員会の委員長だったという。北川さんは1951年の7月生まれで74歳。細菌学者パスツールの言葉を胸に研究を続けてきたという。今回受賞理由は新たな多孔性材料の開発。多孔性材料は最も身近なもので言えば活性炭。古代エジプトでも使用されていたが、その活性炭の表面には肉眼では確認できない小さな穴がある。その穴は酸素や二酸化炭素を吸収し貯蔵ができるが形や大きさはばらばら。特定の分子だけを吸収することはできない。一方で北川さんらが開発した多孔性材料は金属イオンと有機分子を組み合わせることで目的の形で均一な穴を自由にデザインできる。北川さんの開発した多孔性材料は、組み合わせた金属イオンによって色は様々。完成したのは1991年だったが当時は別の研究をしていたという。北川さんの研究は化石燃料から発しする二酸化炭素の回収や水からの有毒物質の除去などに有効。