ヨドバシカメラがあすオープンする新たな業態の店舗「ヨドブルーム」を公開した。かつて、西武池袋の免税カウンターがあった場所。店内にはおよそ500種類の化粧品などが並ぶ。最大の特徴は「体験」。店の奥にはシャンプー台があり店内のヘアケア用品を試すことができるほか、スキンケア用品や美容家電も試したうえで買うことができる。さらに、プロのメークアップアーティストがメークをしてくれるサービスも。すべて無料。一般的な百貨店の1階にあるような化粧品を試すことができる。ヨドバシカメラ・コスメ事業部・横山愛部長は「美容感度の高い客との新しいタッチポイントになっていきたい」とコメント。ヨドバシホールディングスは西武池袋本店に2025年夏以降に家電量販店を出店する計画。新たな業態で百貨店に来店する客を誘導し相乗効果をねらう。一方、流通業界に詳しい専門家からは他のねらいもあったとの見方も出ている。去年8月、セブン&アイホールディングスによる米国の投資ファンドへのそごう西武の売却をめぐり百貨店業界では、およそ60年ぶりとなるストライキに発展していた。豊島区長や地元住民も巻き込み池袋の顔が家電量販店でいいのかと論争になる事態に。流通アナリスト・中井彰人氏は「ターミナルの看板、玄関口として配慮したものになっていると感じる」とコメント。西武池袋本店は百貨店の売り場が半減することになる。こうした中、そごう西武は希望して退職する400人のパートや契約社員を対象に支援金とする事実上の退職金を支払うことが分かった。今後はヨドバシは西武池袋の大家として、百貨店の西武池袋はテナントとして新しい商業施設を作っていくことになる。