国内でコンビニ2万店舗以上を展開するセブン&アイホールディングス。カナダのコンビニ大手から買収提案を受けているが新たな動きがあった。物価上昇が続く中、新たな戦略に踏み切ったセブン-イレブン・ジャパン。一部の商品を10円〜50円程度値下げし低価格帯の商品のラインナップを増やしたとしている。セブンイレブンジャパン・羽石奈緒商品本部長は「“セブンイレブンは割高”というイメージを持つ客に足を運んでもらえるきっかけにしていきたい」と語った。セブンイレブンを運営するセブン&アイホールディングスに買収提案をしたのは米国でサークルKなどのコンビニチェーンを展開するアリマンタシォン・クシュタール。カナダに本社を置きコンビニやガソリンスタンドなどを運営するグローバル企業。両社は最新の売上高がきっ抗するライバル関係にある。セブン&アイは、クシュタール社から約390億ドル、日本円にして5兆5000億円余で買収提案があったことを明らかに。その上で、この金額について「当社の価値を“著しく”過小評価している」などとして提案を受け入れられないとする内容の書簡をクシュタール社に送ったと発表。セブン&アイの真意はどこにあるのか。桃山学院大学経営学部・小嶌正稔教授は「事実上の拒否。クシュタール社にとってみれば彼らの評価は北米に対する評価。セブン自体はアジアに非常に強い地位を持っている。その部分の評価が低かったのではないか」と語った。買収提案を受けたセブン&アイホールディングスがコンビニのビジネスに乗り出したのは1973年。国内でコンビニ事業を成長させたあと世界への進出を加速させた。米国ではクシュタール社と競って店舗を拡大してきたが、世界の市場に目を向けるとセブン&アイが圧倒的に引き離している。クシュタール社の経営幹部は5日、電話での決算会見で買収に前向きな姿勢を重ねて示し「資金調達と統合の完了に自信がある」と述べた。今後の展開について桃山学院大学経営学部・小嶌正稔教授は「クシュタール者としては、買収が一番いい方法だと思っている。日本での価値、アジアでの価値を再評価したうえで北米中心から世界規模の合併に対する提案に変えてくるのではないか」と述べた。
企業のM&Aを支援している会社では海外からの問い合わせが年々増加。手がける海外案件は日本の企業が海外の企業を買収するケースがメイン。しかし最近、海外から日本の企業を買いたいという相談が増えているという。海外からの問い合わせは、この2年間で4.7倍。いま「日本のM&Aを取り巻く環境は大きな転換期にある」という。M&Aを仲介・支援する会社の茶屋伸裕企業戦略部長は「為替が円安、日本株が世界の株に比べて割安。海外の優良ファンドが着目。直近の投資を増やしている」と語った。さらに後押しとなったと見ているのが去年、経済産業省がまとめたガイドライン。買収提案を受けた企業の経営陣が取るべき対応についてまとめたもの。この中で具体的で実現可能性があるような「真摯な買収提案」に対しては時間やコストをかけて「真摯な検討」を行うよう求めた。日本企業は海外からどう見えているのか、茶屋部長は「日本の技術力、収益力に着目した形で海外が注目してくるマーケットになっている。M&Aが少し一般的なものになってきた」と語った。企業の買収を巡っては日本製鉄が米国のUSスチールを買収する計画もある。ただこれは、米国・バイデン大統領が正式に阻止することを発表する準備を進めているとも報じられている。セブン&アイホールディングスとともに、今後の展開を見ていく必要がある。
企業のM&Aを支援している会社では海外からの問い合わせが年々増加。手がける海外案件は日本の企業が海外の企業を買収するケースがメイン。しかし最近、海外から日本の企業を買いたいという相談が増えているという。海外からの問い合わせは、この2年間で4.7倍。いま「日本のM&Aを取り巻く環境は大きな転換期にある」という。M&Aを仲介・支援する会社の茶屋伸裕企業戦略部長は「為替が円安、日本株が世界の株に比べて割安。海外の優良ファンドが着目。直近の投資を増やしている」と語った。さらに後押しとなったと見ているのが去年、経済産業省がまとめたガイドライン。買収提案を受けた企業の経営陣が取るべき対応についてまとめたもの。この中で具体的で実現可能性があるような「真摯な買収提案」に対しては時間やコストをかけて「真摯な検討」を行うよう求めた。日本企業は海外からどう見えているのか、茶屋部長は「日本の技術力、収益力に着目した形で海外が注目してくるマーケットになっている。M&Aが少し一般的なものになってきた」と語った。企業の買収を巡っては日本製鉄が米国のUSスチールを買収する計画もある。ただこれは、米国・バイデン大統領が正式に阻止することを発表する準備を進めているとも報じられている。セブン&アイホールディングスとともに、今後の展開を見ていく必要がある。