人口およそ92万人、政令指定都市の福岡県北九州市に移住希望者が殺到している。大きなアウトレットモールや商業と住居が一体となった施設ができたりと注目の街だ。小倉駅から博多までは新幹線で15分、東京までは飛行機で90分とアクセスが抜群で国内だけにとどまらず、韓国にも日帰りで行ける距離で飛行機で最短85分と、その利便性から移住相談件数は5年間で2700件。さらに大都市なのに生活コストが激減するという北九州市の秘密を徹底調査する。
北九州市は三方に豊穣な海を有する海産物の宝庫で、移住者が口を揃えて絶賛するのが、脇之浦漁港から毎朝直送され、新鮮な海の幸が並ぶ市場の「海と大地」というお店だ。真サバやアジ、天然物のブリをはじめ、普通のスーパーでは滅多に見れないフグやカサゴといった高級魚も都内に比べて格安で、味も鮮度も格別で、刺し身盛り合わせの支出額も全国1位。市場の隣にあるかき小屋では朝採れの海の幸をいただくことができ、オープン直後には地元住民でほぼ満席となる。今は、北九州市の特産品の豊前海一粒かきが旬だそうだ。
さらに博物館や美術館などの施設も多く、北九州市の一部施設が中学生まで無料で利用でき、公園の数が1700か所以上と大都市の中でも特に多く、移住するキッカケの半数が子育てや出産で、子育てしやすい街ランキングで12年連続1位だ。移住者を虜にしているのがJR黒崎駅直結の「子育て支援センター 子どもの館」という施設で、商業施設のワンフロアをまるごと利用していて、多い時には9000人が訪れる。他にも小倉駅から徒歩5分にある「子育てふれあい交流プラザ 元気のもり」は子どもの入場料が100円で、保育士や保健師への育児相談や保護者が無料で利用できるマッサージチェアがあるなど、子育て世帯への支援が充実している。
北九州市で最も魅力的なのが都会とは思えない格安の賃貸事情で、政令指定都市の中で家賃の安さが日本一にも輝き、1LDKの家賃相場は東京より8万円も安い5.5万円だそうだ。今回は、一軒家の賃貸物件を取材した。