先月、韓国・ソウルで行われたサッカーの大会について。出場するのは、経済面や健康面など、さまざまな理由で生活基盤が不安定な人たち。自立へのきっかけとなるよう、毎年NPOが行っているもの。ことしは38の国と地域から52チームが参加した。今回の大会には日本のチームも出場。参加した人たちの思いを取材。参加者の一人、チーム最年少の17歳の男子生徒は中学卒業後、自立支援ホームに入居し、生活面の支援を受けながら学校に通っている。自分が打ち込めることを探したいと、これまでやったことがなかったサッカーに挑戦することを決めた。日本代表チームの参加を企画した竹内佑一さん。日本からの参加は4回目だが、過去の参加者には大会後、住まいや仕事を探し始めるなどの変化があった。竹内さんは「参加者本人たちのさまざまな次のステップにどういうふうにプラスになるかというところを、私たちもできるだけ後押ししてやりたい」と述べた。チームで大切にしているのは、選手たちの自主性。この日の練習でコーチは、プレーに悩む橋本さんに、どうすればいいか自分で考えてみるよう促した。日本代表チームヘッドコーチ・田中三千太郎さんは「自分がこうなりたいということを言える人になってほしい。目標がうまくいかない時にどうするかがサッカー以外でも生きてくる」と述べた。迎えた大会本番。男子生徒は最終戦に途中出場。出場直後は相手に翻弄されるも、大きなピンチで相手をディフェンス。さらに、試合終了間際には味方のアシストまで。最終戦は惜しくも敗戦。それでも自分の可能性に向き合えた大会となった。この大会には、一生に一度しか参加できないというルールがある。そこには大会を一つの通過点にして、新たな一歩を踏み出してほしいという思いが込められている。