尹錫悦大統領は昨日午後10時20分ごろ「野党が地方や行政府、国政を麻痺させた」などとして「非常戒厳」を宣言した。尹大統領はきのう「韓国国民の自由と幸福を略奪し北朝鮮に従う破廉恥な反国家勢力を一挙に撲滅し、自由憲政秩序を守るために非常戒厳を宣布します」と述べた。戒厳が宣言されるのは1987年に韓国が民主化されて以降、初めて。聯合ニュースは野党による政府高官などに対する相次ぐ弾劾案や予算案を巡る対応に大統領が反発したことが背景にあるとの見方を示している。宣言に伴い戒厳司令部は国会や政党の活動、集会など一切の政治活動を禁じるとの布告令を発表した。これに対し国会では大統領の宣言の解除を求める決議案が出席した議員全員の賛成で可決された。全議員の過半数を超えていて韓国の憲法では過半数が戒厳令の解除に賛成した場合、大統領は要求に応じなければならないと定められている。宣言の解除を求める決議案が国会で可決されたことを受けユン大統領は午前4時半ごろに再び会見を開き非常戒厳を解除すると表明した。ただ野党は大統領に対し内乱罪を適用できないか検討する方針で混乱はしばらく続きそう。