韓国・尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が一時、「非常戒厳」を宣言したことをめぐり、尹大統領は談話で、自らの「非常戒厳」宣言により、国民に不安や混乱を生じさせたことにおわびする言葉を述べた。その上でカメラの前で頭を下げ、国民に向けて謝罪をした。戒厳の解除後、尹大統領が公の場に姿を見せるのは今回が初めて。また、談話で「戒厳宣言と関連して法的、政治的責任問題を回避しない」と明らかにし、今後の責任追及から逃れることはしない考えを示した。一方、自らの去就については「与党に一任する」と述べるにとどまり、退陣などに言及することはなかった。与党代表・韓東勲(ハンドンフン)氏は「正常な執務遂行は不可能な状況で大統領の早期退陣は避けられない」と話し、退陣を求めていく姿勢に変わりわないと強調した。韓国の国会ではきょう午後5時からの本会議で尹大統領の弾劾訴追案が採決される予定。弾劾訴追案の可決には与党から少なくとも8人の造反者が必要だが、大統領が談話を発表したことで、情勢は流動的になってきている。最大野党代表・李在明(イジェミョン)氏は「国民が感じた裏切りや怒りをさらに増大させている」とした上で、「韓国の最大のリスクは大統領の存在そのものだ」と強調し、尹大統領の退陣を今後も追及していく方針を示している。仮にきょう弾劾訴追案が否決されても、早ければ来週にも弾劾訴追案を再提出する意向を示すなど徹底追及の構え。