東京都内のビルの一室で作業する人たち。数えていたのは航空会社の株主優待券。その数、12万枚。日本マスタートラスト信託銀行の本社。トヨタやソニーといった主要な企業の大株主には常にこの名前が出てくる。銀行や保険会社など機関投資家の資産を管理していて、その額は家計の金融資産の3割にあたる770兆円。毎年11月〜12月は中間決算を終えた企業から株主優待が届けられる繁忙期、そのため大量の優待商品が届く。売れば数億円以上にもなる優待券。部屋には監視カメラが設置され厳重に管理されている。換金できるものは投資家は還元。金券ショップには多くの優待券があるが、実はここから来ている。一方でハムやチーズのような生鮮食品も多くある。換金が難しく、長持ちしない商品は一定の基準で選んだ介護施設などに寄付。1年間に届く株主優待は約1万件。特に割引券などは有効期限が長いほど高値で売れる。