きょうの“しらべてみたら”は、円安の今、日本で働く外国人はどうして日本を選び、どんな仕事をしているのか?調べてみた。街で話を聞いていると、夢に向かって走る人がいる一方で、特別な事情を抱えて日本で働く人もいる。千葉市稲毛区にある飲食店「ソルヌン」は鶏肉、豚肉、牛肉に野菜を加え、8時間じっくり煮込んだスープで作る冷麺が人気。この店で働くのが、北朝鮮出身のヨンヒさん(33歳)。ヨンヒさんは10年前の2015年に脱北し、2年前に来日した。脱北した理由について、ヨンヒさんは「北朝鮮は給料があっても社会主義だから1か月給料をもらって米1キロも買えないんです。北朝鮮が嫌だから、生きていても私の未来はないことを(脱北した)25歳になって分かったんです。苦しみました」と話す。しかし、その道のりは想像を絶するもので、「川を泳いで中国側に渡って、水もない、食べ物はもちろんない。何もない山で48時間、1分も寝ないで歩くの。私、ここで死ぬなと思うくらい」と話し、死を覚悟しながらも中国からラオス、そして韓国へたどり着き、亡命したという。そして、その韓国で当時、働いていた勝又成さんと出会って結婚し、お店を出すために来日した。しかし、日本で働くことに不安はなかったのか?ヨンヒさんは「もともと私は日本に行きたい気持ちが強かったので、北朝鮮で使っていた電化製品は全部日本製だったんです。こんないい機械を作っている国に行きたい」と話す。幼い頃から憧れていた日本で人生の再スタートを切ったヨンヒさん。店では、“冷麺の本場”北朝鮮の味を振る舞い、連日満席になる人気ぶり。お客さんは「韓国の冷麺と比べると、すごくさっぱりしていてこれが北朝鮮の味なんだなと、すごくおいしいです」「北朝鮮とかっていうワードがあると、ん?という方も多くいらっしゃると思うんですけど、本当のビックリするくらいおいしくて」と話す。こうしたお客さんの声は今のヨンヒさんの心の支えになっているそうで、「この店は結構、温かい人たちが来る。『こんなに安くてみいいの?』とか一言でもね、それで力が出るし、その一言でね、日本に来て良かったと毎日思っています」と話す。ということで、日本で働く外国人を調べてみたら、母国で働くより給料が安くても、それぞれにお金に変えられない思いがあり、それが日本を選んだ理由だったことが分かりました。
住所: 千葉県千葉市稲毛区稲毛2-5-27