ベトナム戦争の集結から50年の節目を迎えるベトナム。ベトナム中部の村では犠牲者を弔う追悼式が行われた。1968年に起きたソンミ村虐殺事件。アメリカ軍が村を襲撃し女性や子どもなど504人が殺害された。当時11歳だったファム・タイン・コンさんは目の前で家族5人を殺害された。虐殺の実相を伝える資料館に勤務しているコンさん。資料館を訪れたアメリカの退役軍人は、感想を記すノートに贖罪の気持ちを綴っていて、コンさんは「憎しみからは何も生まれない」と考えるようになった。一方でベトナムには戦争が残した課題も残されている。ベトナム人女性とアメリカ兵の子どもの存在。見た目の違いから差別にも苦しんだというオアンさん。政府による支援もない中、帰国した父親への思いだけが募っていく。母は亡くなる直前に父親を探すことを認め、オアンさんは父親探しを支援する団体の協力で見つけ出すことができた。「できれば現地に行って会いたい、1回でもいいからハグをしたい」と話す。支援団体によるとオワンさんのような人はベトナム国内に数百人暮らしている。こうした問題のほかにも、枯葉剤による健康被害や不発弾の問題など多くの課題が残されている。