37歳のペートンタン氏。新首相就任の背景には、親軍派の動きも関連してるのではと専門家は指摘している。ペートンタン氏が党首を務めるタイ貢献党は去年5月総選挙で王政改革などを掲げた前進党に第一頭を奪われた。この王政改革により、自分たちの地位を落とすことに繋がるかもしれないと思った軍や王室関係者の親軍派政党が懸念を示し、タイ貢献党と連立を組んだ為、タイ貢献党は政権獲得。去年8月にセター氏が首相に選出された。またこのタイミングでタクシン元首相が帰国。この状況が進軍派の警戒を呼ぶ事態になった。タイ政治に詳しい筑波大学の外山准教授によると、今年4月の内閣改造でタクシン元首相の腹心が多く抜擢され、タクシン氏の政治影響力が急速に拡大していた。外山准教授は進軍派政党とタイ貢献党の政治理念は一致しておらず、政権運営のため協力していると指摘。憲法裁判所がセター氏に退職命令を出したのも、タクシン派の影響力拡大を一部の進軍派が懸念し、憲法裁判所を使い失職させることで、進軍派が警告したのではとみている。外山准教授によると、ペートンタン氏が新首相になれば、タクシン氏の政治的影響力がさらに増すことが想定される。度が過ぎれば、進軍派政党が動く可能性がある。進軍派とうまく向き合えるかが課題となるとのこと。田中さんは「タイは日本企業がたくさん進出していて、日本企業にとってもビジネスがやりやすい国。その一方で王室民主主義という言葉があって、残念ながら民主主義ではない。王室と軍部が結託してるということで。今回新首相が選ばれましたけど、残念ながらあるべき姿はいかに王室や軍部と距離を置くのか。あるべき政治をすればするほど、自分が更迭される可能性が高まってくる」などと話した。