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「チェルノブイリ原子力発電所爆発事故」 のテレビ露出情報

ニコライ2世が玉座に君臨していた時代、ウクライナは独自の文化や言語を持ちながらも独立は認められておらず、「小ロシア」と呼ばれるロシア帝国の一部として扱われていた。しかし、1914年の第一次世界大戦に端を発した1917年の二月革命でロマノフ王朝は崩壊。帝国の消滅に伴い、ウクライナ人たちはロシアからの独立を求めてウクライナ人民共和国を建国した。しかし、皇帝に代わって権力を掌握したレーニンもまたウクライナの独立を認めることはなかった。ソビエト政府は圧倒的な軍事力でウクライナへと侵攻し、瞬く間に全土を併呑。支配下に置かれたウクライナは1922年に建国されたソビエト連邦に組み込まれ、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国という形で首輪をつけられた「独立」を果たす。
1932年、ソビエト連邦ではスターリンが農業集団化の政策に着手する。スターリンはこの政策に反発する農民に「富農」のレッテルを貼り、食料や財産を根こそぎ奪い取った。ソ連の穀物生産の重要地帯であったウクライナでは特に苛烈な徴発が行われ、さらに天候不順による不作が発生したことで大飢饉が発生。後に「ホロドモール」と呼ばれるこの飢饉では400万人が命を落とし、人肉食すら行われる苛烈な光景がウクライナ中で展開された。
1941年に独ソ戦が勃発すると、赤軍はウクライナ防衛を早々に放棄して敗走。スターリンの圧政に苦しめられたウクライナ市民たちは、侵攻してきたナチスをソビエトからの解放者として熱烈に歓迎した。ウクライナ人民族主義者のステパン・バンデラもナチスを歓迎し、ソ連という共通の敵を倒すことでウクライナの独立を果たそうと考えた。しかし、ナチスのユダヤ人迫害政策は250万人のユダヤ人が暮らすウクライナでも牙を剥く。キーウでは破壊工作の犯人と決めつけられた3万人のユダヤ人が銃殺される悲劇が起こった。ソ連共産党上層部にユダヤ人が多かったことから、圧政に苦しんだウクライナ人の一部もこうしたユダヤ人迫害に加担。こうして虐殺の嵐が吹き荒れたナチス占領下のウクライナで殺害されたユダヤ人は150万人を数える。この惨劇を生き延びたユダヤ人の中には、ゼレンスキー大統領の祖父もいた。しかし、こうしたナチスの支配も長くは続かなかった。戦況の推移に伴って赤軍がウクライナに姿を現すと、今度はドイツ軍に協力したウクライナ人たちが殺害される側に回った。バンデラはこの虐殺を生き延び、1959年に暗殺されるまで独立運動を続けた。現在のウクライナではバンデラは英雄として見做されているが、プーチン大統領はこれを強く非難している。
圧政でウクライナを苦しめたスターリンが死去すると、険悪だったロシアとウクライナの関係は一時的に好転した。スターリンに代わって指導者となったのは、ウクライナ育ちのロシア人であるフルシチョフ。1954年、フルシチョフは両国の友好の証としてロシアの領土であったクリミア半島をウクライナに譲渡した。プーチンに率いられたロシア軍がクリミア半島に上陸するのは、その60年後のことである。
1952年にレニングラードで生まれたスパイ映画好きの少年、ウラジーミル・プーチン。将来の夢を諜報員に定めた彼は、大学を卒業した1975年に同時に念願のKGBへと入局を果たす。それから3年後、ウクライナ東部にある街・クリビーリフでヴォロディミル・ゼレンスキーが生まれた。当時のウクライナ東部にはロシア語を話す住民が多く、ゼレンスキーもロシア語を母国語として育った。
1986年4月26日、ロシアとウクライナの友好関係は緊急の消防無線によって断ち切られた。チェルノブイリ原子力発電所爆発事故である。この事故による放射能はウクライナ全土に拡散し、首都キーウでは放射線量が通常の50倍にまで急増。ウクライナ共産党は5月1日に予定されていたメーデーのパレード中止をゴルバチョフに具申したが、事故の詳細を知らされていなかったゴルバチョフはパレードの強行を指示。これにより、ウクライナでは事故犠牲者がさらに拡大することになる。やがて被爆の実態が明らかになるにつれ、ウクライナ市民はソビエト連邦政府に対し大きな不信感を抱いて独立運動を展開していく。そして、1991年12月の国民投票でウクライナはソ連から独立。これを景気にソビエト連邦は崩壊し、兄弟国家と呼ばれたウクライナとロシアは互いに袂を分かつことになった。
ソ連崩壊から6年後、ロシアの素人コメディ番組に1人のウクライナ人が出演する。当時19歳のヴォロディミル・ゼレンスキーである。この番組で優勝を果たしたゼレンスキーは仲間と共に劇団「第95街区」を結成し、コメディスターへの階段を駆け上がっていった。一方、諜報員から政治家となっていたプーチンは「大国ロシアの復活」を掲げて大統領選挙に立候補。2000年5月にはロシア大統領に就任を果たす。
ロシアからの独立後、ウクライナでは親露派と親欧米派の対立による混乱が続いていた。2013年には親欧米派の市民が中心となって起こした「マイダン革命」により親露派政権が崩壊。この事態にプーチン大統領は激怒し、「反憲法的クーデターであり権力の武力掌握である」と声明を発表。ロシアとウクライナの関係が再び悪化する中で、幼少期からロシア語を話してきたウクライナ人のゼレンスキーは板挟みとなってしまう。折に触れて両国の融和を訴え続けてきたゼレンスキーは自身が分断された国家を纏める大統領役を演じるドラマ「国民の僕」を発表。ドラマは国民の半数が視聴する程の大人気作となり、やがてゼレンスキーの政界進出を臨む声が高まり始めた。ゼレンスキー自身もその声に応え、2018年の大統領選挙に出馬。当時の現職大統領ポロシェンコはこれに対し、5年以上も続いていたドンバス地域での親露派勢力との紛争についての公開討論を持ちかける。ポロシェンコは公の場でゼレンスキーを親露派と糾弾しようと考えていたが、ゼレンスキーの融和的な姿勢は逆に紛争に疲れ切っていた国民の力を掴むものとして作用する。投票の結果、ゼレンスキーは圧倒的な得票率で大統領に就任。その翌月、ロシアで開催された国際会議でプーチン大統領は「”演じる”ことと”実際になる”ことは別だ」と揶揄してみせた。互いに面識のなかったプーチンとゼレンスキーが初めて顔を合わせたのは、2019年12月にドイツとフランスの仲介で行われたドンバス地域での停戦に関わる会議でのこと。この会議は10時間以上に渡ったが物別れとなり、成果を上げることはできなかった。現在のところ、これが両者が顔を合わせた最期の機会である。
2022年2月24日、両国にとって三度目となる戦火が巻き起こる。侵攻の直後、プーチンとゼレンスキーは相手国の国民に向けて演説を行った。そこで両者が語ったのは、かつて祖国を同じくしていた頃の記憶と兄弟とも呼ばれた深い関係を振り返る言葉だった。収束の兆しが見えない戦争に、ノーベル賞作家のスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチは次のように語っている。「いまも私の心の中に涙が溢れています。ウクライナの戦争は21世紀の最も恐ろしい犯罪として歴史に残るでしょう。戦争はいつかは終わるはずです。でもウクライナの未来の世代は、ロシアの人々とどうやって話をするのでしょうか。救ってくれるのは愛だけ。憎しみでは救われません。どうやって一緒に生きていくのかを学ばなければなりません。でも、それはまだ遠い先のことなのです」。

他にもこんな番組で紹介されています…

2024年3月13日放送 4:20 - 5:00 NHK総合
国際報道(ニュース)
チョルノービリ原子力発電所で環境調査を行う男性は1986年4月26日チョルノービリ原発事故直後から環境への影響を調査している。男性は職場で福島の原発事故を知った。何か手伝えることがあるのではないかと考え避難の基準・範囲など情報を共有した。また、福島大学などと周辺地域の環境を調査する共同プロジェクトを開始した。チョルノービリにある研究所には日本の研究者のための[…続きを読む]

2024年3月12日放送 11:30 - 11:54 NHK総合
ひるまえほっと(各地の話題)
ウクライナからに日本に避難してきた高校生が、この春から大学に進学するという。現地での大学進学を諦めず、日本で授業を学び、大学へ進学を目指すミラーナさん。当時は状況にふさぎ込むことが多かったと語るが、現在は必死に努力を重ね、今では日本語でコミュニケーションも取れるようになったという。来月卒業し、将来の夢である「放射線等の研究者」叶えるためにこの春から大学に通う[…続きを読む]

2024年3月9日放送 17:30 - 18:50 TBS
報道特集(特集)
石川・珠洲市の高屋地区では、21年前、住民の反対によって原発の建設が中止になった。建設予定地は今回の地震で甚大な被害を受けた。原発建設計画が浮上したのは1970年代。中部電力・北陸電力・関西電力の共同開発で、高屋地区と寺家地区に原発が造られる計画だった。珠洲市議会はチェルノブイリ原発事故の直後に原発誘致を決議。推進派と反対派で町は二分された。30年近くに及ぶ[…続きを読む]

2024年2月22日放送 18:30 - 19:00 NHK総合
首都圏ネットワーク(ニュース)
ロシアのウクライナ侵攻からまもなく2年。現地での大学進学を諦めず、日本で授業を学び、大学へ進学を目指すミラーナさん。当時は状況にふさぎ込むことが多かったと語るが、現在は必死に努力を重ね、今では日本語でコミュニケーションも取れるようになったという。来月卒業し、将来の夢である「放射線等の研究者」叶えるために日夜勉強を続けている。

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