- 出演者
- 横川浩士 川口由梨香
オープニング映像が流れた。
新型コロナウイルスの感染拡大によって何百万人も亡くなり、ロックダウンやワクチンを巡る混乱が起き、世界は無力であることを見せつけられた。これを教訓にWHOは3年間の交渉の末、パンデミック条約を採択。中心にあるの新たな病原菌に対する情報を速やかに伝えるといった内容が含まれている。アフリカの多くの国々ではワクチン接種をすることもほとんど不可能だった。今後もっと公平に取り組んでいくために、20日WHOの加盟国はパンデミック条約を採択した。国境なき医師団は「条約に含まれている内容を実行できるかは各国政府がどんな政策を取るかにかかっている」等と話した。
WHOの総会で感染症対策の強化のための新たな国際条約「パンデミック条約」が採択された。今日は条約内容や今後の課題について考える。これまでに世界全体で7億7,700万人以上の感染が確認され、死者が709万人以上となっている新型コロナウイルス。パンデミック条約は新型コロナウイルスが感染拡大した時、先進国と途上国の間で対策に格差が生じた教訓から制定が呼びかけられた。採択された条約の主な内容は「ワクチン製造技術 途上国への移転促進」、「病原体の情報共有する新たな枠組み」、「製薬会社 WHOにワクチンを提供」など。条約の詳細は来年の年次総会までに詰める予定。条約にはWHOからの脱退を表明しているアメリカは不参加で、実効性のある枠組みになるのか懸念もあるが、それでも大きな一歩を踏み出したと言える。ただ、課題は山積みで世界の感染症対策といえるWHOの体制が揺らいでいる。WHOは最大の資金拠出国のアメリカの脱退表明で財政難に直面。来年からの2年間の予算案では当初の53億円から42億ドルと11億ドル削減される。テドロス事務局長はさらに現在の76部門を34部門に絞り込むことにしている。またアメリカはCDCなど感染症分野で世界屈指の人材や情報分析能力を持つ政府機関を抱えている。しかし、WHOからの脱退で各国との協力に影響が出ることが懸念されている。今回のWHOの総会では国際社会の分断を表す一幕もあった。アメリカのケネディ厚生長官のビデオメッセージが流され、この中でケネディ長官は”WHOは官僚主義の肥大化や凝り固まった考え方、国際的な権力政治に陥っている。中国からの政治的な圧力に屈した”などと批判。これに対して、中国側は”アメリカは他国への中傷や責任転嫁をやめ国際社会の懸念に速やかに対応すべき”と反論した。横川さんは「イギリスの医学雑誌ランセットは2050年までに2500万人以上の死者を出す新たなパンデミックが発生する確率を48%と推定する報告をまとめている」と話した。
パレスチナのガザ地区の人道危機の悪化を巡り、国連は今すぐ支援物資が届かなければ1万4000人 に乳幼児が48時間以内に死亡する恐れがあると警告した。イスラエルの主な友好国であるカナダ、フランス、イギリスもイスラエルの対応は行き過ぎだと異例の避難をし、支援物資の搬入を強く求めた。イスラエルはイスラエルは3か月近くにおよぶ物資搬入の阻止は、今もアメリカ人4人の遺体を含む58人を人質をしているハマスへの圧力だとしている。支援用トラック93台がガザ地区に入ることが認められたが、国連によると配給はまだ行われていない。12歳の少女は栄養失調になり、急遽アラブ首長国連邦に搬送された。カタールでの停戦協議の行き詰まりについて、イスラエルとハマスは互いに相手を非難している。
トランプ、プーチン両大統領の電話会談の翌日のEU外相・国防相会議ではプーチン大統領が明らかにウクライナでの停戦を求めていない状況にどのように対応するのか。ドイツのヴァーデフール外相は「同盟国であるアメリカはロシアの姿勢を受け入れられないと考えており、今後かす制裁については除外項目を設けないよう努力する。」と述べた。EUはロシアの国力をさらに弱めようとしている。17回目となる制裁パッケージを決定した。ロシア産の石油を運ぶ「影の船団」に対する措置、個人と団体の資産凍結の拡大、軍事的に重要なテクノロジーに必要な物資の輸出規制といった内容。ロシア産の石油は数年間海路で密輸されている。ロシアはバルト海での軍事的プレデンスを強化している模様だ。ウクライナの都市への爆撃も続けている。EUは制裁を決定し効果に期待している。EUはすでに18回目の制裁パッケージについても考えている。
世界メディアのプーチン大統領とアメリカのトランプ大統領の電話会談に対する反応は様々だ。怒りと否定で受け止めたのがアメリカの自由主義傾向のマスコミ。ヨーロッパとウクライナのマスコミは意気消沈した。2時間の電話会談はヨーロッパの何時間にもわたる会議よりも重要な意味を持ち、会議参加者は将来が未確定と不満を覚えているとブルームバーグ通信は伝えている。トランプ大統領が電話会談の感想を話したとき、プーチン大統領も同じ様にソチの音楽学校にいた。両大統領はウクライナ問題での位置点をつけた。結果についてCNNは多くの時間をさきプーチン大統領の発言を生で放送した。グローバル主義者は経済戦争を含む戦争を煽っていて、今回の会談結果に不満を表明している。5月19日のプーチン大統領との2時間の会談でトランプ大統領は何ら最後通牒を突きつけることなく和平交渉を続けることを提案した。ロシアとウクライナの交渉は再開された。覚書、将来の和平条約がいつできるのか話すことは時期尚早だ。
軍に入隊したばかりの兵士は狭い塹壕で遺体のマネキンに囲まれるなど戦闘の厳しい現状を経験する。化学兵器に襲われた想定での訓練、塹壕から負傷兵を退避させる訓練も行っている。訓練に付き添った精神科医は前線では恐怖を乗り越えることが最も重要だと話す。
激動の世界と最前線で向き合う人物に迫るコーナー。
きょう紹介するのは音楽を通してウクライナの平和を訴える歌手、ナターシャ・グジーさん。25年前から日本を拠点に音楽活動をするナターシャさん。ロシアによる侵攻から3年が過ぎる中、ウクライナと日本のつながりを深めることが平和に近づく道だと信じ、日々活動を積み重ねている。
先月26日、都内で開かれたナターシャ・グジーさんのコンサート。ウクライナの民族楽器「バンドゥーラ」を手に日本やウクライナの曲を歌う。ロシアによる侵攻の後、特別な思いで歌うようになったウクライナをテーマにした曲がある。ウクライナの土地が奪われていくことの悲しみを歌ったオリジナルソング「なぜなのか教えて」。曲についてナターシャさんに聞くと「20年以上前に作った曲。チョルノービリ原発事故を経験した者としてその経験を伝える。自分の中から自然と生まれてきた曲」と話す。ナターシャさんはチョルノービリ原子力発電所から3キロあまりの街で育った。しかし原発事故後、高い放射線量のため立ち入りが禁じられ、戻ることができなくなった。故郷を失った思いを歌うこの曲がいまのウクライナの現状を写していると感じている。ナターシャさんのコンサートではウクライナの美しさや文化がたっぷりと紹介される。その一方でコンサートの間、ロシアへの怒りを口にすることは一切無い。ナターシャさんは3年前、ウクライナとのつながりを感じてもらうべく民族衣装「ヴィシヴァンカ」を展示・販売するチャリティー活動を始めた。鮮やかな刺繍が特徴の「ヴィシヴァンカ」。手元に残っているものを買い取り、その売り上げをウクライナに届けている。ナターシャさんに衣装を送ったアントニナさんに話を聞くと、「刺繍がしてあって平和なときにはよく着ていた大切なものだった」と話す。3年前、ロシア軍によりアントニナさんの町は一時占領され、住宅が破壊された。そのとき、家族の思い出が詰まった衣装を守りたい一心で支援者に託したという。こうして集まった300着以上のヴィシヴァンカをナターシャさんは日本の人たちにつなげてきた。「これまでの音楽活動を踏まえ、どんな未来になることを望んでいるか」と聞くとナターシャさんは「もちろん一言でいうと”平和”。小さな平和を積み重ねて、自分にしかできないこと=音楽を通してこれからも頑張っていきたい」と話した。
ナターシャさんにウクライナから送られてきた民族衣装「ヴィシヴァンカ」を借りた。ウクライナの人なら誰もが持っているもので、あしらわれた刺繍は地域によって特徴があるという。「ヴィシヴァンカ」を送ったニーナ・コレヴィチさんが「ヴィシヴァンカ」に添えた手紙には「私たちは破壊された家のがれきを片付け、いまは人々の助けを借りて仮設の住まいで暮らしています。いつか再建できることを信じています。他人の苦しみに無関心にならず、被害を受けた私たちを助けてくれることに心より感謝します」と綴られている。横川さんは「私はニ度ウクライナに取材で入ったが、現地で出会うウクライナの人たちが『ウクライナの現状を知ってほしい』と強く訴えていたのが印象的」と話した。ナターシャさんは「平和が訪れるにはまだ長い時間がかかるが、将来ウクライナが復興のステージに入った時に応援し支えてくれる人を増やしたい」と話していた。
サウスダコタ州の霧の上にたたずむ施設で科学者たちは宇宙が存在する理由を解き明かそうとしている。その答えは地下深くにあり。ここでは金を採掘していたが、今では科学者にとって貴重なものを探している。科学者は宇宙が誕生したとき2種類の素粒子があったと信じている。星や銀河、まわりのすべてを構成する物質と正反対の反物質。理論的には両者は衝突して互いに打ち消しあい大きなエネルギーの爆発以外、何も残さないはずだった。しかし、私たちは存在している。科学者はそのぶつかり合いに物質が勝ち、宇宙が存在する理由はニュートリノと呼ばれる素粒子と正反対の反ニュートリノを研究することでわかると信じている。科学者は両方の素粒子をイリノイ州からサウスダコタ州の地下深くにある観測装置までビームで照射し違いを見つけたい考え。もし違いが見つかれば大成功で物質と反物質の決定的な証拠を見つけたことになり宇宙がなぜ現在の形で存在するかを説明するのに大きく前進する。地球の反対側では日本主導のチームも観測装置を建設して同じ答えを探す。競争は始まっている。最初の結果は数年後には出る見込み。
アメリカで建設される素粒子を観測する実験施設を紹介。この分野では日本がリードしている。横川さんは「物質のもとになる最も基本的な粒子の1つニュートリノの研究では日本が2度のノーベル物理学賞を受賞し世界を牽引してきた。研究で大きな役割を果たしてきたのが実験装置。小柴昌俊さんが受賞した宇宙のニュートリノの一種の観測に世界で初めて成功したのがカミオカンデ、2015年に梶田隆章さんが受賞したニュートリノ振動を初めて観測したのがスーパーカミオカンデ。今後を担う三代目が岐阜・飛騨市の山の地下で建設されているハイパーカミオカンデ。タンクの大きさをスーパーカミオカンデの約8倍。2028年の観測開始を目指す。目的の1つは宇宙誕生の秘密に迫る科学的な成果を得ること。大型化してより多くのデータを得ることでニュートリノとともに反ニュートリノを数多く観測。性質のわずかな違いを見つけ出し宇宙誕生直後に物質ができた謎を解明できる可能性があるとしている。日本とアメリカ互いが補完しあい物理学の大きな謎の解明に期待したい」などと述べた。
20日、アメリカ版アイアンドームを構築するトランプ大統領の夢が公式に発表された1750億ドル、約25兆円がかかるミサイル防衛システム「ゴールデン・ドーム」は極超音速兵器や潜水艦発射弾道ミサイル、艦隊地巡航ミサイルで高まる脅威からアメリカを守る。アメリカはすでにイランや北朝鮮が発射する大陸間弾道ミサイルを迎撃するシステムをアラスカ州とカリフォルニア州に配備済みだが、ゴールデン・ドームは地上配備型の迎撃システムだけでなく宇宙に配備する技術も使用しミサイルを検知、迎撃する可能性を考えている。大統領はハマスやイエメンのフーシ派が発射したロケット弾などの大半からイスラエルを守ったアイアンドームを称賛していたが、これらはより小型の兵器。大統領は自らの任期中に運用を開始できるとしているが、その予算の承認を議会から得なければならず、専門家は3年で完成させるという計画は楽観的だと指摘する。
最優遇貸し出し金利が引き下げられた。これにより企業や個人の融資コストも低下。20日、中国人民銀行はLPRの1年物と5年物の金利を0.1%引き下げ、1年物は3%、5年物は3.5%とした。去年10月以降初の引き下げ。市場は引き下げを予測。今月8日には7日物の短期金利が1.4%となったことからLPRも引き下げられるとみられていた。貸出金利の参考となるLPRは企業と個人の融資コストに影響がある。住宅ローンの金利が下がった結果、100万元を固定金利で30年間借り入れる場合、毎月返済する利息は54元減り、利息の総額が約2万元も少なくなる。市内中心部にある仲介業者は過去2週間に受け付けた内見依頼件数が同時期に比べ20%増えた。照明器具製造業者は原材料の仕入れが拡大し銀行からの融資が必要。人民銀行の発表を聞いた経営者はタイミングを見計らい優遇を受けた。今後、さらなる引き下げがあるのか、専門家は為替レートが決定的な要素であり、年内に再び引き下げる可能性があると指摘した。見積もりの引き下げは難しいと思う専門家もいる。
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「WHO パンデミック条約を採択」など、今日の主なニュースを伝えた。
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