サウスダコタ州の霧の上にたたずむ施設で科学者たちは宇宙が存在する理由を解き明かそうとしている。その答えは地下深くにあり。ここでは金を採掘していたが、今では科学者にとって貴重なものを探している。科学者は宇宙が誕生したとき2種類の素粒子があったと信じている。星や銀河、まわりのすべてを構成する物質と正反対の反物質。理論的には両者は衝突して互いに打ち消しあい大きなエネルギーの爆発以外、何も残さないはずだった。しかし、私たちは存在している。科学者はそのぶつかり合いに物質が勝ち、宇宙が存在する理由はニュートリノと呼ばれる素粒子と正反対の反ニュートリノを研究することでわかると信じている。科学者は両方の素粒子をイリノイ州からサウスダコタ州の地下深くにある観測装置までビームで照射し違いを見つけたい考え。もし違いが見つかれば大成功で物質と反物質の決定的な証拠を見つけたことになり宇宙がなぜ現在の形で存在するかを説明するのに大きく前進する。地球の反対側では日本主導のチームも観測装置を建設して同じ答えを探す。競争は始まっている。最初の結果は数年後には出る見込み。