大人がハマると話題になっているアニメーション映画「ロボット・ドリームズ」が世界中で高評価を受けている作品の魅力に迫った。今年の米国のアカデミー賞で長編アニメーション映画賞にノミネートされ、世界の賞レースを賑わせた。日本でも先月公開され、ミニシアターランキングで3週連続1位を獲得し注目されている。最大の特徴は無声アニメーション、舞台は擬人化された動物たちが暮らす1980年代のニューヨークで孤独な犬とロボットが織り成す友情をセリフやナレーションを全く使わず描いている。この映画を手掛けたのはアニメ映画に初挑戦したスペインの名匠・パブロ・ベルヘル監督、作るうえで無声映画全盛期の大スター・喜劇王・チャップリンを意識、影響を色濃く受けたという。この映画の魅力を伊藤さとりさんは「無声映画あるあるで手を繋ぐ瞬間をズームにしてくれることで手を繋ぐチャレンジをしているなお注目しながら観る、作品に魅了されてしまうマジックをもっている」とした。作品に彩りと深みを与えたのが劇中の様々なシーンで流れる名曲が1978年に発表され80年代を代表するヒットナンバーとなったアース・ウインド&ファイアーの「セプテンバー」。犬とロボットの友情に試練が訪れる。誰かを思う優しい気持ちに終盤、言葉にしがたい感情の波が押し寄せるということ。