ドイツでは、今月1日と22日に行われる3つの州の議会選挙で、移民や難民に対して排他的な主張を掲げる右派政党「ドイツのための選択肢」が初めて第1党になる勢い。ナチスへの反省から寛容さや多様性を重視してきたドイツでは、異例の事態で、選挙の行方が注目されている。ドイツでは、旧東ドイツのチューリンゲン州とザクセン州で1日、ブランデンブルク州で22日に州議会選挙が行われる。最新の世論調査では、右派の「ドイツのための選択肢」の支持率がチューリンゲン州では1位、ザクセン州では1位の最大野党「キリスト教民主同盟」を3ポイント差で追っている。また、ブランデンブルク州では複数の調査で1位となっている。「ドイツのための選択肢」は、移民や難民に対して排他的な主張を掲げているほか、一部の政治家からはナチスを肯定するような発言やイスラム教徒への差別的な発言などが目立ち、識者やメディアからは極右だと批判されてきた。ナチスの過去から極右勢力の台頭を繰り返さない教育などに力を入れ、寛容さや多様性を重視してきたドイツでは、主要な選挙で極右だとされる政党が第1党になったことはなく、州議会選挙の行方が、国内外から注目されている。