ガーナでカカオを生産しているアブサニさんによると、最近、20年間大切に育ててきたカカオの森が農園荒らしによって奪われたという。アブサニさんは土地を借りてカカオ栽培をしている小作人。地権者がアブサニさんに黙ってカカオ農園荒らしに土地を売り払ってしまったという。カカオ農園荒らしの正体はガラムセイ(金の採掘)。ガーナは金産出量がアフリカトップ。金鉱脈とカカオ農園が同じような位置に広がっている。世界的な金の価格高騰もあり、カカオ農園を狙ったゴールドラッシュが起こってしまっているのだ。金の採掘には政府の許可が必要だが、約3割は違法採掘によって採られたもの。収入格差が大きいため、カカオ農家からガラムセイに転職する人も増えている。取材では深刻な問題も発覚。毒性が強く深刻な健康被害を引き起こす水銀だが、水銀には金を吸着する性質があるため、違法採掘現場で多く使用される。これが深刻な水質汚染を引き起こし、ガーナの河川は60%以上が汚染されているという衝撃の報告もある。水銀は自然に分解されにくいため、一度汚染されてしまうと、そこでカカオ栽培をすることは難しい。
