今、国内の動物園では、カバやアフリカゾウといった一部の動物の数が減少している。高齢化のため繁殖が進まず、動物の輸入も困難になっていて、自然繁殖だけでは今後国内からいなくなる動物が出てくるおそれがある。こうした状況を防ごうと、盛岡市動物公園ZOOMOではアフリカゾウ(マオ22歳)に対し国内で初めて人工授精が行われた。ドイツから来日した専門家が担当した。ここ数年、ほかの動物でも数の減少を防ぐため、人工授精の取り組みが相次いでいる。3年前、上野動物園でニホンライチョウが、よこはま動物園ズーラシアではツシマヤマネコが生まれた。人工授精のために必要な精子や卵子を冷凍保存しようという取り組みも進んでいる。凍結した動物の精子や卵子を保管する施設(冷凍動物園)は日本動物園水族館協会が中心となって全国10か所に作られている。動物福祉の観点から議論は続くと思われる。