11月の米国大統領選挙で政権奪還を目指す、野党共和党の全国党大会が開かれトランプ前大統領が党の大統領候補に正式に指名された。副大統領候補には中西部オハイオ州出身の上院議員JDバンス氏が指名された。バンス氏は、かつてトランプ氏を痛烈に批判していたが政界に進出してから姿勢を転換しトランプ氏を強く支援してきた。消息筋によると、トランプ氏は正式発表の20分前にバンス氏に伝えたとされている。39歳のバンス氏は、当選すれば米国史上最年少の副大統領の一人となる。上院議員に当選したのはほんの2年前だった。海兵隊員としてイラクに派遣されたバンス氏はイェール大学ロースクールを卒業した元ベンチャーキャピタリスト。労働階級に育った自身の回顧録「ヒルビリーエレジー」はベストセラーとなった。バンス氏は、かつてトランプ氏を辛らつに批判していたが、大統領就任後の実績を見て、トランプ氏を擁護する熱心な支持者となり、息子のジュニア氏とは親友になった。トランプ氏は、先週末暗殺未遂事件で銃撃を受けた。バンス氏は、SNSで「“独裁者トランプ氏の再選を絶対阻止せねばならない”というのがバイデン陣営の中核的主張であり、それがトランプ氏の暗殺未遂を招いた」とバイデン大統領を非難した。15日、バイデン大統領はバンス氏の副大統領候補指名に「政策面ではトランプ氏のクローン」と反応した。トランプ氏は遊説でバンス氏は、ペンシルベニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州、オハイオ州、ミネソタ州の労働者や農業者のための戦いに焦点を当ててくれるだろうとしたうえでオハイオ州選出のバンス上院議員が中西部の激戦州での戦いに貢献することに期待を表明した。ジュニア氏は、バンス氏を副大統領候補に指名するよう、父親に強く勧めたとされている。