イギリスを訪問中の天皇陛下。訪英3日目にテムズ川の氾濫から市民を守る開閉式の水門「テムズバリア」を訪れた。首都ロンドンと東西の都市を結ぶイギリスを象徴する河川で特に近代史、産業革命の黎明期には石炭の運搬を支えたのはこのテムズ川の水運である。メカニズムや歴史的意義に魅入られ、陛下はこの分野の研究に打ち込んでいった。「水門の技術が18世紀のテムズ川で発展を遂げた」というのが陛下の研究論文のテーマだった。留学終了の2年後、ネパールを訪問された際、水に対する新たな思いが芽生えたそう。以前陛下が視察に訪れた川漕艇博物館には陛下のサインが入った論文を大切に保管されている。