デフサッカー日本代表は激しくぶつかり味方とは手話やアイコンタクトでコミュニケーションを取る。副キャプテンの古島啓太選手はピッチ上での連携は簡単ではないという。指揮をとるのは元Jリーガーの吉田匡良監督。聴覚障害がある7歳の息子がいて、一緒に生活するなかで聞こえないことを個性と捉えるようになった。チームの強みは前線からの守備。しかし指示が聞こえないぶん、選手同士の距離が離れてしまうことが課題だった。取り組んだのが番号による戦術の共有。番号ごとにピッチのどの位置で陣形を敷くのか認識を共有する。監督が指で示した番号を選手が見て確認し、課題となる連携を改善するのが狙い。今年2月の練習試合では戦術の徹底をはかった。しかし前半は連携が上手くとれず4失点。後半、吉田監督は前でプレーする「1」の戦術へ。選手間でも共有し、チーム全体で相手陣地からボールを奪いに行く。そして相手ゴール前でボールを奪うと見事得点。後半は互角の戦いを演じた。吉田監督は「自分は健常者とかデフとか関係ない、デフサッカー日本代表というところを見に来てくれた皆様に思う存分我々が見せる。」などと話した。