インドでことし8月、病院で研修医の女性が性的暴行を受け殺害された。病院に出入りしていたボランティアスタッフの男が逮捕されたが、事件を受け抗議活動が続いている。こうした中、働く女性の安全確保に向けた取り組みが進められている。事件の起きた東部コルカタでは、3か月近くたっても抗議デモが続いている。女性や医療従事者の安全確保を求め、医療機関で医師や看護師たちが24時間の診療ストまで行う事態に。抗議デモは全国に拡大してきた。インドの女性医師たちはどのような状況に置かれているのか。公立病院で働くアシャロヒラ医師が取材に応じた。病院には急患が次々に訪れ、治療に追われる。男性の患者や付き添いの人への対応も、アシャさん一人で行う。ときには威圧的な対応を取られることもある。深夜になると、病院内にはほとんど人がいなくなる所がある。また、建物の中に使えるトイレがないため、たびたび外まで歩かなくてはならない。宿直室も女性専用ではない。取材をした日、仕事が終わったのは夜8時。オートリキシャと呼ばれる乗り物で帰宅するが、ドライバーはほとんどが男性。見つかるまで路上で長い時間を過ごすこともある。家に入ると、ようやくほっとしてくつろぐことができる。アシャさんのように、インドで働く女性たちの47%が職場や通勤を巡り、安全のことを心配しているという調査結果もある。
医療現場では緊急の対策を進めている。医師や看護師が護身術のセミナーに参加し、襲われた場合に身を守るための実践的な方法を学んでいた。女性が安心して通勤できるよう、女性ドライバーの育成を進めるNGOもある。これまでにインド全国で、5000人以上の女性の免許取得を支援した。さらに、マハラシュトラ州にある人材サービス会社は、女性の安全対策に取り組んでいる職場かどうか見極めたうえで、女性たちに仕事を紹介している。目覚ましい経済発展の陰で、厳しい状況に置かれるインドの女性たち。安心して暮らせる社会を作ることができるのか、懸命な取り組みが続いている。インド政府も女性の安全確保を重視し、性犯罪への厳罰化、取締りや啓発活動の強化など対応を進めているという。
医療現場では緊急の対策を進めている。医師や看護師が護身術のセミナーに参加し、襲われた場合に身を守るための実践的な方法を学んでいた。女性が安心して通勤できるよう、女性ドライバーの育成を進めるNGOもある。これまでにインド全国で、5000人以上の女性の免許取得を支援した。さらに、マハラシュトラ州にある人材サービス会社は、女性の安全対策に取り組んでいる職場かどうか見極めたうえで、女性たちに仕事を紹介している。目覚ましい経済発展の陰で、厳しい状況に置かれるインドの女性たち。安心して暮らせる社会を作ることができるのか、懸命な取り組みが続いている。インド政府も女性の安全確保を重視し、性犯罪への厳罰化、取締りや啓発活動の強化など対応を進めているという。