デロイトトーマツグループ執行役・社会構想大学院大学教授・松江英夫さんが解説。今、ビール業界はかなり変革期を迎えていて、来年の税率の一本化に向けてビールに関して税率が下がっていくのはチャンスと見て、各社がかなりラインアップを拡充して攻めに出ている。今回の商品の特徴は、一言でいうと「極みの掛け合わせ」。ホップの質と量をふんだんに使うことによって味を極めたのが一つ。苦みを打ち出すというコンセプトを極めた。もう一つはキレ、スーパードライをはじめとした主力商品の強みである酵母技術の強みを徹底的に極めた。今回の場合、苦みを追求すると後味はなかなか難しいという悩みがあるが、これをキレによって解決、その後味へのこだわり、この極みこれも大きいと思う。掛け合わせることによって苦くてもおいしいという新しい価値を作り出した。弱みの発想を展開することで極める、さらに強みをさらに極める、これを掛け合わせすることによって新しい価値を生み出す。結果としてイノベーションを作るといった展開が広がることが期待できる。