東京・乃木坂生まれの黒柳徹子は入学して3か月で小学校を退学になった。800万部のベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」の舞台にもなったトモエ学園に母の勧めで転校した。小林宗作校長との出会いが黒柳の人生を大きく変えたという。毎日「君は本当は良い子なんだよ」と言ってくれた。ありのままの自分を認めてくれる素晴らしい先生だったという。後に有名な物理学者となる山内泰二さんとは同級生。お嫁さんになりたいと思っていたが、相撲の授業で投げ飛ばしてしまい、君をお嫁さんにしてあげないよと言われてしまった。1941年に太平洋戦争が始まったことでそんな平和な日々は終わりを告げた。母から15粒の炒った大豆を渡され、これで1日過ごしなさいと言われた。戦争が終わった時は嬉しいより安心感があった。戦争は絶対に嫌だと語った。下町の大空襲の時は空が真っ赤になり、夜なのに本が読めたという。トモエ学園も焼けてしまったが、小林校長は「今度はどんな学校を作ろうか」と前向きだった。黒柳はユニセフの親善大使として40年間活動し、世界中の子どもたちに希望を与え続けている。ネパールの少女との印象的な出会いを語ってくれた。何になりたいか聞いたら洋服屋さんと答えた。もう1度訪れた際に、成長した少女がブラウスを作って持ってきてくれた。「大きくなったら何になりたいか聞いてくれた人はいなかった。私に夢を聞いてくれた時、とても嬉しかった」と語ったという。子どもたちに想いを込めたアニメ映画「窓ぎわのトットちゃん」が12月8日に全国東宝系でロードショー。黒澤明監督以外のほとんどから映画化の話があったが、読んだ人が自分の中で作るイメージの方が良いと思って、42年間断り続けてきた。今回のスタッフはOKをもらう前からアニメを制作し、その熱意が胸を打ち映画化が実現された。