ドイツでは今年2月の総選挙で勝利した中道右派のキリスト教民主社会同盟のメルツ氏が首相になった。しかし首相選出にあたり、議会の1回めの投票では選ばれない異例の事態となった。与党内や連立を組む社会民主党の中に、メルツ氏への不満があったためだという。政権運営への影響が予想される。投票は無記名だったため、誰が投票しなかったかが分かることはない。なぜ18名が投票しなかったのか、その理由については様々な憶測が広がっている。キリスト教民主社会同盟の中にも不満はあった。メルツ氏は反メルケル派として政治的に返り咲いたあと、3回目の投票で投手に選ばれた。今年1月メルツ氏が移民対策案をAFDの協力で可決させたとき、社会民主党は激怒。キリスト教民主社会同盟に対する市民の抗議もあった。メルツ氏は新たな債務は負わないと言っていたが、社会民主党と協力して巨額の財政パッケージを可決した。社会民主党ではクリングバイル氏が権力を握った。党首として総選挙の責任をとらなければならないのに、議員団長に選出された。選挙結果は、ショルツ前首相より悪いものだった。クリングバイル氏のチカラは増し、社会民主党の閣僚ポストを決め、もう一人の共同党首のエスケン氏は外された。クリングバイル氏は財務相兼副首相に就任。社会民主党とキリスト教民主同盟に多くの不満が渦巻き、無記名投票に表れた。
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