日本製鉄は去年12月、USスチールを買収することで両社の間で合意し、ことし9月までに子会社化して、買収の完了を目指すと公表していた。この計画について、日本製鉄はきょう、買収完了の時期を変更し、ことし12月までに延期すると発表した。買収に必要な米国の当局の審査に時間がかかると判断したものと見られる。買収計画を巡っては、USスチールの株主総会で先月承認されたが、鉄鋼業界の労働組合が買収に反対する姿勢を示している。また、トランプ前大統領が「私なら即座に阻止する」などと述べ、大統領に再び就任した場合には、買収を認めない考えを明らかにする一方、バイデン大統領は「USスチールは完全に米国企業であり続けるべき」だなどと述べている。日本製鉄はきょうの発表の中で、「強い決意で買収を完了させてまいります」としていて、ことし11月の大統領選挙に向けた思惑も絡む中、買収計画の行方が注目される。