米国のバイデン大統領らと会談したウクライナ・ゼレンスキー大統領は「勝利計画」と名付けた計画を示したとみられる。ねらいは、ロシアとの和平を実現すること。一方でロシア・プーチン大統領も今年6月にウクライナとの和平の交渉を開始する条件を示している。さらに、米国大統領選挙でも民主党のハリス氏と共和党のトランプ氏はウクライナ支援を巡って激しく論戦しているが、トランプ氏もウクライナでの和平を実現すると公言している。関係国の関係者が同じ「和平」という言葉を使っているものの、意味することは全く異なっている。トランプ氏は「自分が当選したらゼレンスキー大統領とプーチン大統領に働きかけて直ちに和平を実現してみせる」と述べた。この場合、トランプ氏はまずは何よりも今の戦闘が止まることが和平だと考えているといえそう。しかし、ハリス氏は非現実的だとして批判。トランプ氏の言う和平は侵攻を始めたプーチン大統領への屈服にすぎないという。プーチン大統領は今年6月の演説でウクライナとの和平の交渉を始める条件としてロシアが部隊を進め一方的に併合を宣言しているウクライナ東部と南部の合わせて4つの州からウクライナ軍が撤退することを挙げている。ウクライナの目指す和平とは国際社会からの支援によってウクライナの防衛力や外交力を高めることでプーチン大統領がこれ以上、攻撃を続けてもウクライナを屈服させることはできないと判断させて、プーチン大統領を交渉に引き出し侵攻をやめさせるというもの。ゼレンスキー大統領は米国をはじめとした国際社会からの支援の継続と強化を訴えている。