日本時間の今夜から米国大統領選挙の投票が始まる。大接戦となっているが、日本にとって大きな関心の1つが選挙後の関税がどうなるか。トランプ前大統領はみずからを“タリフマン”と呼んでいる(タリフ=関税)。中国製品に対して60%の関税をかけるほか、日本を含む外国製品に原則10%〜20%の関税、さらにメキシコで生産して米国に輸入される自動車に100%の関税を課すと述べているため、メキシコに進出している日本企業にも大きな影響が出る可能性がある。一方のハリス副大統領は、中国製のEV関税の引き上げなど、中国に厳しいバイデン大統領の貿易政策を引き継ぐとみられている。日米の政治と経済に詳しいエコノミスト、S&Pグローバル元副会長・ポールシェアード氏は「関税についてトランプ前大統領は、ある種の『ゲーム理論』を使っている気がする。彼は100%・200%という劇的な関税導入を脅しとして使っている。実際にそれを実行するとは思えない、とてもトランプ的な行動。私は関税の問題についてはやや楽観的だ」と述べた。シェアード氏は、民主党と共和党の貿易政策はかつてほどの違いがなくなり、バイデン政権の関税政策はトランプ前政権のやり方に近づいてきたという。その上で、日米の首脳どうしの信頼が重要になると指摘「首相には早い機会に米国に行くことをおすすめする。どの国にも国益があり、政策は真剣に検討され決まるが、特にトランプ氏の場合は良好な関係や相性が重要になる」と述べた。