きょうの経済視点について、丸紅経済研究所・今村卓氏は「自由貿易の限界」とし、先々週にペルー・リマで開催されたAPECに行ってきた。自由貿易は守ろうと採択されたが、翌週のG20では「保護主義の阻止」といった文言は盛り込まれなかった。今回のアメリカ大統領選挙のトランプ氏の勝利をみても自由貿易体制の維持は不可能と言ってる。労働者階級が犠牲となっている。さらに、中国の経済発展に貢献はしたが中国共産党の一党独裁体制を助けてしまった。自由貿易体制は維持できないといった主張が出ている。また、ベッセント財務長官は世界経済秩序の再構築をすると述べており、関税を下げて自由貿易をするのは不可能になってるとアメリカが自ら語ってると解説した。ふくおかフィナンシャルグループ・佐々木融氏は、「米国版3本の矢(3−3−3)」とし、ベッセント氏が財政赤字をGDPの3%まで削減する。規制緩和を通じてGDP成長率を3%に引き上げる。原油生産を1日当たり300万バレルにする。これらの考えの背景には、これから数年間で壮大な世界経済の再編が行われると考えていて再編の結果は米国民のニーズに合ったものでないといけない。平時にお金を使うのではなく、危機の時に使えるように余裕を持つ必要がある。政府支出が減る所を規制緩和によって経済を活性化させて民間によって補うべき。原油の生産を引き上げるのはインフレ期待を抑える。それによって経済が良い循環に回ってくる。そういう意味では石破政権の3本の矢に使っても良いのではないかなどと解説した。