好調が続いてきたアメリカ経済の先行きに不透明感が出ている。中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)はトランプ政権の関税引き上げの影響で物価が上昇する一方、景気は減速するという見通しを示した。アメリカのFRBは19日、2会合連続で利下げを見送った。これは事前の予想通りだったが、注目されたのは会合で示した今後の経済見通し。前回の見通しに比べ、物価上昇率が高まると予想した一方、経済成長率の予測は引き下げた。これは関税引き上げの影響を見込んだためで、トランプ関税が景気の悪化と物価の上昇が同時に起こる「スタグフレーション」につながる恐れを示した形。パウエル議長は「トランプ政権の誕生で経済の先行きを見通すことが極めて難しくなっている」と話している。トランプ大統領は4月2日に大規模な関税措置を新たに導入する考えを示している。その内容は当面のアメリカ経済、そして日本を含む世界の経済の先行きを大きく左右することになる。