テーマは「欧州で広がる自前主義」。フランス南西部の町コニャックは、世界三大ブランデーの1つコニャックの生産地として有名。ここで200年続く生産者を訪ねた。ジボアンさんは5年前に家業を継いだ7代目。コニャックの原料はぶどうで、一旦発酵させ白ワインにしたあと、蒸留して最低2年間樽で熟成させる。コニャックは16世紀頃、フランスアからオランダに白ワインを輸出する際、品質劣化を防ぐため蒸留したのが起源と言われていて、現在も約97%が国外で消費されるいわば輸出用の酒。その最大消費地はアメリカ。この地域では、労働者の約70%がコニャックの生産に関わっている。欧州ではアメリカ頼みから脱却しようと動き出した人たちが。トランプ大統領就任からわずか1ヶ月ほどで立ち上げたという「Go European」。サイトを運営する1人のボス氏は「一般市民にはなにも変えることができない政治的なことが起こってる。しかし消費者の行動は変えることができる」などと話す。現在2300以上の製品・サービスが検索でき、1日に2万以上のアクセスがあるという。欧州各国の世論調査で、アメリカへの好意を聞くと、トランプ大統領就任前より各国で大幅にダウン。一番下ったのがデンマークでわずか20%しか好意を持っていない。トランプ大統領のグリーンランド購入発言の影響も大きいとみられる。こうした中、国内メーカーには追い風が吹いている。デンマーク製のコーラ「ジョリー・コーラ」は、最近発表したCMでは西部劇でおなじみのカウボーイハットに0%、デンマークの国旗があしらわれた国旗に100%と表示。さらに関税の壁0%とあんにアメリカを揶揄する内容となっている。スーパーの中には3月の売り上げが1年前と比べ13倍に増えたところもあるという。アメリカの保護主義に自前主義で対抗するデンマーク。かつて保護主義の荒波を乗り越えた歴史がある。