来月1日にタイの中央銀行の総裁が交代する。注目されるのが政府と中央銀行の関係性。現在のセタプット総裁は政府の景気刺激策に苦言を呈し、度々バトルとも言える状況になっていた。当時のセター首相に利下げを要求された際には、セタプット総裁は慎重な姿勢を崩さなかった。一方新総裁に就任するウエタイ・ラタナコン氏は2020年から政府系金融のトップを務め、政府と近しい関係にあると言われている。タイの経済界からは「政府と中銀足並みそろった効果的な景気刺激策に期待」と歓迎の声が上がる一方、「政府による金融政策への干渉が強まるのでは」と不安の声もある。アメリカでは中央銀行の独立性が揺らぐ事態となっているが、タイでも同じ問題に関心が集まっている。
