ロシアが去年9月に一方的に併合を宣言したウクライナの4州で強行している選挙だとする活動。ロシア国営のタス通信の英語版は7日、「ロシアの法律に基づき新しい地域で初めて選挙が行われる」との見出しで報じた。選挙は住民が立法議会の議員らを初めて選ぶものだとしている。ドネツク州とザポリージャ州の占領地域で先月31日から、ルハンシク州とヘルソン州の占領地域で今月2日から投票開始したとしている。4州あわせて1,900の投票所が設けられるほか、これらの州以外に設けた投票所でも投票できるとしている。ロシアがウクライナの4州で選挙だとする活動を強行するのは、支配を既成事実化したいからにほかならない。しかし、ロシアはこの4州のすべての地域を掌握しているわけではない。さらにザポリージャ州では、ウクライナが反転攻勢を強めている。先月下旬にはロボティネを奪還した。今月に入り、ロシアが築いた第1防衛線を突破し、さらに第2防衛線に迫っている。またニューヨーク・タイムズはロシア側から追放されたザポリージャ州のメリトポリ市長の話として、ザポリージャ州で立候補している候補者たちの多くは地元住民ではないとしている。ロシア国内から来た候補者もいて、中にはシベリアから来ている候補者もいるとしている。ニューヨーク・タイムズはウクライナ当局はドローンを使ってビラをまき、住民たちに選挙だとする活動を無視するよう呼びかけていると伝えている。ブリンケン国務長官は7日「ロシア政府はあらかじめ決められ、ねつ造された結果がウクライナの一部地域を支配しているとするロシアの違法な主張を強めると期待しているがこれはプロパガンダ以外のなにものでもない」と声明を発表。国際社会がロシアが選挙だとする活動の結果を確認するすべはない。望月氏は「来年3月に大統領選挙を控えるプーチン大統領が支配を既成事実化し、ウクライナ侵攻を正当化する動きは今後も続くことが予想される」と話した。