- 出演者
- 栗原望 油井秀樹 酒井美帆
オープニング映像とオープニングの挨拶。
今日のニュースのラインナップを紹介。
パリ五輪の開幕まできょうで1か月となった。フランスの首都パリを中心に開催されるのは100年ぶり。テロへの警戒が高まり警備が大きな課題となる中、パリやその近郊では準備が進んでいる。開会式が行われるセーヌ川では約90隻の船にのり選手たちはパレードを行う。見込まれる観客は32万人余、警備の難しさが課題とされている。開会式の8日前から立ち入りを厳しく制限する予定。先月には中部の競技会場でのテロを企てたとしてロシア南部チェチェン出身の男を逮捕。飲食店などからは厳しい警備が営業に影響しかねないと懸念の声があがる。客も通行許可証の申請が必要となることなどからこの期間、営業を続けるか悩んでいるという。選手村では床下に冷たい地下水を通して部屋を冷やしている。大会運営の柱として掲げられているのは排出される二酸化炭素の削減。食事棟では食器は使い捨でではなく陶器や金属製のスプーンやフォークが使われる。大会期間中は1日最大4万食の提供を想定している。
パリ近郊選手村から中継。フランス大会組織委員会が掲げるのは男女平等を意味するパリテ。1900年に初めてパリでオリンピックが開かれた際の女性選手の割合はわずか2%ほど、今回の大会では史上初の50%、男女の割合が同数となる。選手村にも子連れの選手が家族と過ごせるスペースも作られるという。一般的には女性選手は出産によってキャリア継続が難しくなったり、キャリアのために出産を諦めるケースも多い。フランスでは女性選手がキャリアを継続できるための支援を続けてきた。フェンシング女子サーブルのセシリア・ベルデル(34)は東京オリンピックで団体の銀メダル獲得に貢献。今大会でも個人・団体ともに出場が決まりメダル獲得を目指している。東京大会の1年後にパートナーとの間に娘を出産、出産後すぐに競技に復帰したが心配だったのが「収入」。フランス政府の調査では女性アスリートの60%が出産後のキャリア継続に不安を持っているという。こうした中、設立されたのが「ANS(全国スポーツ機構)」。これから子どもが生まれる選手や育児中の選手への支援に力を入れている。個別の相談窓口で仕事などを紹介。遠征などに子どもを連れて行く際には交通費・宿泊費の大半を補助。一定の給与が支給される国の強化選手に選ばれるための仲介役も担う。母親として挑む今回のオリンピック、ベルデルさんは夢を追い続ける姿を自分の娘、そして全ての若い世代に見てほしいと考えている。
パリ近郊・選手村前から中継。なぜフランスでは女性選手の支援に力を入れるようになったのか。田村記者は「スポーツ界の要望に加え政治の力も大きい。フランス政府がおととし作成したアスリートが母親になることを応援するためのガイドブック。1ページ目には当時のスポーツ庁の写真。閣僚は五輪にも出場経験のある競泳の選手。パリテはもともと女性の政治参加を促す言葉として使われてきた。政治に女性でスポーツ選手の経験者も進出してきたことが支援につながった。人数だけでなく待遇も含めて男女平等を達成できるかが鍵になる。参加人数は同じとはいえ、男子競技のほうが注目されるケースも多い。女子競技の開始時間をゴールデンタイムに設定し中継することで関心を集める工夫も行うという。男女平等や環境配慮といった社会問題の解決に向けて取り組む姿勢を強く打ち出している。その成果がどう社会を変えていくかも焦点となりそう」などと述べた。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領は激しい戦闘が続く東部ドネツク州を新たに起用した軍のフナトフ司令官らと訪問した。ウクライナメディアからはフナトフ司令官の前任者に対し一部の部隊から兵士の犠牲が増えているなどと批判の声があがっていたと伝えていて、軍内の不満に耳を傾ける姿勢をアピールした。
ロシア外務省は25日、ウクライナ侵攻について虚偽の情報を組織的に拡散しているとして、ヨーロッパの81のメディアへのロシア国内からのアクセスを制限すると発表した。この中にはフランスのAFP通信や有力紙「ルモンド」、ドイツの有力紙「シュピーゲル」など主要メディアの多くが含まれている。ロシア外務省はEUが先月ロシアのプロパガンダを広めているとして、国営のロシア通信などのEU域内での放送を制限したことへの対抗措置だとしている。
ロシアは今後どう動くのか。アメリカを代表するロシア研究者として知られ、駐ロシア大使もつとめたマイケル・マクフォール氏がNHKのインタビューに応じ、「プーチン大統領はトランプ氏がアメリカ大統領に返り咲くか注視している。トランプ氏が大統領になれば和平交渉がより有利にできると考えている。」と述べ、この先数ヶ月は和平交渉に関する動きはないという見方を示した。また今後の戦況についてはウクライナは各国から供与される戦闘機や兵器が揃う来年春に大規模な反転攻勢を仕掛ける準備が整うと分析している。
国連機関などは25日、ガザ地区の住民の22%にあたる49万5000人以上が5段階のうち最も深刻な「壊滅的な」食糧不足に陥っているとする新たな報告書を発表。中東の衛星テレビ局「アルジャジーラ」は食べ物を求める人々の様子を伝えている。北部では何時間も並んでも手に入るのは簡素なスープだけだという。イスラエル軍は26日にかけても南部・ラファでロケット弾の発射台など数十の目標を空爆したと発表。ハマスの最後の拠点だと主張するラファでの地上作戦の終了が近いなどとの認識を示しているが、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は25日、イスラエル軍が本格的な地上作戦を終了し小規模な作戦に移行すればハマスはそれを利用し、ガザ地区全域で部隊を再編し、支配を再び回復しようとするだろうとの見方を示した。イスラエルはガザ地区での作戦を次の段階へ移行させ、部隊を隣国・レバノンのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」との戦闘に充てる可能性を示唆している。これについてアメリカのオースティン国防長官はワシントンを訪れているイスラエルのガラント国防相と会談。ヒズボラとの戦闘の拡大に深い懸念を示したうえで緊張緩和に向けた外交努力を続けるよう求めた。一方ガラント国防相は外交的な解決が望ましいとしながらも、ヒズボラとの本格的な戦闘にも備えるべきだとの考えを示した。
今月24日、中絶の権利を認めるべきだと訴える人たちのデモが紹介された。中絶を認めるべきか否かアリゾナ州での議論が注目されたのは今年4月のことだった。1864年にアリゾナで制定された人工妊娠中絶を事実除禁止する法律。中絶規制の判断が各州の判断に委ねられたことを受けて州の最高裁判所はこの160年前の法律が今も有力だとする判断を下した。これに対し民主党は猛反発。州議会にこの古い法律を無効にする法案を提出した。共和党は反対にまわると見られていたが、一部の議員が賛成にまわり、古い中絶禁止法を無効とすることが決まった。共和党の一部議員が中絶に対する態度を翻した背景には世論の変化がある。先月発表された世論調査では人工妊娠中絶について「法で認められるべき」と回答した割合は激戦州で64%。共和党が強い州ですら57%と半数を超えた。主張を変えた1人でトランプ氏への支持を呼びかけているケリー・レイク上院議員候補はこれまで中絶は罪だとしてほぼ例外なく禁止すべきだと公言していたが姿勢を軟化させた。しかし中絶の禁止を共和党に託してきた保守的な支持者は納得がいかない。共和党系の政治コンサルタントは「共和党にとって中絶をめぐる問題への対応は容易ではない」と指摘する。一方、民主党・バイデン陣営はこうした世論を最大限活用しようとしている。いま民主党陣営は大統領選挙と同じタイミングで中絶の権利を州が保障する是非について問う住民投票を行うこと目指し、署名活動を行っている。世論を追い風に中絶問題で住民投票を行えば、大統領選挙でも民主党に有利に働くという考えだ。ハリス副大統領もアリゾナ州に入り改めてバイデン氏への投票を呼びかけた。
佐伯さんは「コロラド州やフロリダ州など4つの州では大統領選挙に合わせて中絶の権利や規制に関する住民投票が行われることが決まっている。アリゾナ州のように住民投票に向けて署名活動が行われるなど準備が進められている州も6つある。中絶をめぐる問題は有権者にとってみると自分自身や家族が直接影響を受けかねない身近な問題なので、民主党としては無党派層や共和党の支持者からも票の取り込みを進めていきたい考えとみられる。24日は連邦最高裁判所の判断から2年の節目だったが、バイデン大統領はこの日だけで10回もSNSのXに中絶に関する投稿を行った。共和党系の政治コンサルタントは共和党がこの問題が争点にならないように扱い、ほかの得意分野で勝負すべきだと指摘している。この問題は日本時間の28日のテレビ討論会でも取り上げられる見通しでほかのテーマと並んで有権者が論戦をどう評価するのかがポイントになりそう。」などと述べた。
アメリカは11月に大統領選挙と同時に連邦議会の選挙も行われる。今積極的に動いている組織がユダヤ系ロビー団体「AIPAC」。AIPACは、親イスラエル政策を掲げる政治家を民主・共和党問わず資金面などで支えてきた。AIPACは、大統領選の予備選挙の段階で“親イスラエル”を選び、イスラエルに批判的な人の排除を目指している。そのAIPACが反イスラエルの候補者として最重要ターゲットにしたのが、民主党のボウマン下院議員。ボウマン下院議員は、ネタニヤフ政権を厳しく批判してきたという。予備選挙はきのう行われて、ボウマン下院議員の敗北が決まった。アメリカにイスラエル寄りの政治家が多いその要因のAIPAC、近年はユダヤ系も多様化が進み影響力はかつてほどではないと言われるが、アメリカの中東政策が揺らぐ今活動を活発化させている様子。
環境保護団体の「WWF」の研究者が南極のザトウクジラをドローンで撮影。オキアミなどの餌を食べる様子を撮影した。胸びれを道具のように使うアクロバティックな美しい動きが紹介された。
ペルーの首都リマでは数十人のアーティストが映画「スター・ウォーズ」をテーマに巨大な壁画を完成させた。これは5年前に始まった街の美化活動の1つで、これまでに300ほどの作品が壁に描かれた。
ケニアのルト大統領が治安確保のための国際部隊の第一陣として、ハイチに警察官400人を派遣した。ハイチでは治安が悪化し、政府が国際部隊の派遣を要請していた。バイデン大統領は、ケニアをNATO非加盟の主要同盟国にする考え。
明日の「国際報道」の予告。イスラエルとパレスチナの“共生”を目指し、ユダヤ人とアラブ人の子どもたちが共に学ぶ学校について。模索を続ける現場を取材。
エンディングの挨拶。