米国議会下院は20日、ウクライナ支援のための日本円で9兆円を超える緊急予算案を超党派の賛成多数で可決した。支援の一部は返済義務のある融資の形となっている。支援予算を巡っては、去年の末に底をついて以降、与野党の対立で審議が進んでいなかった。予算案はこのあと、与党民主党が多数を占める上院で、23日にも採決される見通し。ウクライナ・ゼレンスキー大統領は「ロシアのテロに苦しむ人々や最前線の兵士にとってとても重要な予算案」と述べ、「命を救う決定だ」と謝意を表明した。一方、ロシア大統領府は「ウクライナを更に破滅させることになるだろう」と反発。米国議会下院ではこの日、イスラエルへの支援として日本円で4兆円余の緊急予算案も可決された。米国・オースティン国防長官は「イランなどからイスラエルを防衛するための支援やガザでの人道支援の拡充が可能になる」としている。