ニューヨーク株式相場について米国みずほ証券の兼松渉が解説。インフレ圧力は恐れられていたほどではないとの見方から利下げに対する期待が広がっており、S&P500とナスダックが史上最高値を更新した。来週開催予定のジャクソンホール会議においてパウエル議長による利下げのヒントが得られるかが注目ポイントとなっている。米国株式市場で株価上昇に大きく貢献している銘柄の1つがアップル。先週アップルの株価は13.3%上昇し、約5年ぶりの上昇率となった。年初来で見るとエヌビディアやマイクロソフトなどが大幅高となっているのに対しアップルは-8%と出遅れていたが、足元ではアップルの株価が回復基調にある。ティム・クックCEOが先週、トランプ大統領との駆け引きの中で、米国内への1000億ドルの追加投資を発表したことでトランプ関税を回避できる見通しとなっただけでなく、6月にはアップルが振興AI企業のパープレキシティの買収を検討していると報じられ、AIの分野における出遅れ挽回は可能との見方が広がっている事も背景にある。次の注目点は来月上旬に開催が予定されている新製品の発表イベント。iPhone17の発表や今後のAI戦略に関するヒントが示されるのかが最大の注目ポイントとなる。