アメリカ・ロサンゼルスで行われている「アカデミー賞 授賞式」。日本からは3作品がノミネートされている。その中で「視覚効果賞」にノミネートされているのが「ゴジラ-1.0」。すべてを失った戦後の日本にゴジラが現れ、マイナスに叩き落とす様を描いている。世界での累計興行収入は158億円を超え、全米の歴代邦画実写作品1位の記録を34年ぶりに更新するなど世界中から注目されている。ノミネートされた「視覚効果賞」はCGなどの視覚効果を用い表現の幅を変えた作品に贈られる賞。監督を務めた山崎貴さんは、実車とCGを合成するVFXの第一人者として知られている。古典的なトリック撮影と最新技術を融合させることで作品を作り上げてきた山崎監督。過去のゴジラシリーズで特撮美術監督を務め、現在はVFZの作品を手掛ける三池敏夫さんは「とりわけ今回驚くのは水の表現。本当の船の波に対してもっと巨大なゴジラの波の表現やしぶきの表現。おそらくハリウッドでもなかなか難しいレベルのVFXになっていると思う」と語る。本物の船があるところにゴジラを合成するが、水しぶきの細かさ・ゴジラの動きを調整し違和感なく合成するのは至難の技だという。人々が逃げ惑うシーンでは、建物・列車・町行く人までをCGで作成、撮影されたのはカメラの映る一部の俳優のみ。ハリウッドでは数百人規模で制作されることが多いVFX作品において、「ゴジラ-1.0」のスタッフはわずか35人。制作費は15億円と他の「視覚効果賞」のノミネート作品と比較しても桁違いに安いのが分かる。世界と互角に渡り合う日本映画。このあとはアカデミー賞の最新情報を現地からお伝えする。