ニューヨークが誇るパフォーミングアーツの殿堂、リンカーンセンター。メトロポリタンオペラやニューヨークシティバレエなどの劇場が立ち並ぶ敷地内では夏の間さまざまな無料イベントが開かれている。多くのイベントで目にするのは手話通訳などアクセシビリティーのサービス。このコンサートでは専門のスタッフがアーティストが話したことなどをその場で入力し配信。耳が不自由な人がスマホで読めるようにしている。リンカーンセンターにはアクセシビリティーを担当する専門の部署がある。4人いる常駐スタッフの1人、アクセスコーディネーターのケリー・キャンドルオロさん。この日はヘッドホンで音楽を聴きながらダンスを楽しむサイレントディスコが行われた。音が外部に漏れないので騒音を出さずに盛り上がることができ、しかも音楽への没入感が楽しめる。ヘッドホンで選べる音声トラックの中には目の不自由な人のための実況中継もある。この日は振動で音楽を体感することができるハプティック・スーツも準備した。足首や手首にも専用のデバイスを着け、ベストを装着すれば音楽が聴こえなくてもビートを感じダンスを楽しめる。夏の夕方、障害のある人もない人もみんなでディスコを楽しんだ。ミランダ・ホフナーさんは「どんな心や体であってもありのままでアートを体験してほしい」、ケリー・キャンドルオロさんは「アクセシビリティーを充実させる仕事はやりがいがある」とコメント。リンカーンセンターは寄付だけで年間約180億円入っている。アクセシビリティの追及は障害を持っている人のためだけではないとのこと。