2022年2月、北海道でワシの調査を撮影していた取材班はカラスの死体を次々と発見。すぐに自治体へ通報。その後も頭が逆さまになってしまったオジロワシを発見。国の天然記念物に指定されている希少な鳥。環境省 釧路湿原野生生物保護センターで原因を解明したところ、高病原性鳥インフルエンザに感染していることが分かった。鳥に感染すると体内で急激に増殖し、数日で命を奪う恐ろしい病気。鳥インフルエンザウイルスは北極圏周辺に暮らす渡り鳥がもともと体内に持っている。この時点では鳥に害はない。しかし、渡り鳥が移動する際、養鶏場のニワトリにウイルスが移ることで性質が変わる。密集するニワトリの間で感染の連鎖が発生。すると、強い病原性を持つウイルスに変異してしまうのだ。日本では感染が確認されると速やかにニワトリを殺処分。しかし、世界全体では対策にばらつきがあり、近年では病原性の強いウイルスがニワトリだけでなく野鳥でも蔓延するようになってしまった。獣医師の齊藤慶輔さんは鳥インフルエンザに感染したオジロワシの治療を行った。世界でも前例のない挑戦。治療を続けて5か月目、オジロワシの体内からウイルスが消えたことが確認された。しかし、オジロワシには重い後遺症が残っていた。
