今週、フランス・ニースで「国連海洋会議」が開催されている。海の生態系の保全などについて話し合う。ダイビングなどをすると温暖化により珊瑚の白化や海藻・アマモが減少している様子を目の当たりにする。テーマは温暖化やプラスティックごみによる汚染。特に注目されているのは海底にある鉱物資源の採掘。焦点は国際的なルールづくり。海底資源への各国の関心は高く合意は容易ではない。今年の会議には50人余の首脳を含め、約120の国と地域が参加した。海底資源の開発についてフランス・マクロン大統領は『今は行うべきではない」と訴えた。国連・グテーレス事務総長も「深海を無法地帯にしてはいけない」と呼びかけた。アメリカ・トランプ大統領は海底鉱物の獲得にも積極的に乗り出しており、4月には「海洋鉱物におけるアメリカの復活」という大統領令に署名した。自国の排他的経済水域以外の海底鉱物の開発を加速させるとしている。開発したい国は多いが、環境への影響が未知数のためヨーロッパでは開発に慎重な国が多い。フランス・ブルターニュ地方「国立海洋開発研究所」では海底の開発が環境に与える影響を調査している。マンガンノジュールはレアメタルも含む代表的な海底鉱物。研究所は去年11月~今年1月、ハワイからメキシコの沖合にかけた海域の環境の変化を採掘調査した。フランス国立海洋研究所・デサンディエ博士は「生物多様性の観点から重大な影響といえる。採掘に一定の猶予を設けることで疑問に答える時間を稼ぐことができる」と話す。