ノルマン人はイタリアへと進出し、11世紀、シチリア島に侵攻。首都と定められたのはパレルモで、天然の良港を持つ。イスラムの時代に築かれた建物を改装して王宮とし、立法議会を召集。パレルモ大聖堂には歴代の王が眠っている。王朝は信仰の自由を認め、優秀な人材を積極的に登用。イスラムの文化や学問、ビザンティン帝国の文化を吸収し、モンレアーレに大聖堂を築いた。柱、アーチからイスラムの影響が見え、聖堂は無数のモザイクで埋め尽くされている。これはビザンティン帝国の文化を取り入れ、華やかに進化させたもの。壁画にはアダムとイヴ、天地創造など聖書の物語が描かれている。王朝は12世紀末、跡継ぎを失って消滅。シチリアがイタリアの自治州となったのは第二次世界大戦後のことだった。