ノーベル平和賞の授賞式がきょう行われ、長年核兵器の廃絶を訴えてきた日本被団協が日本としては50年ぶりに受賞する。鴨志田郷解説委員が「授賞式は日本時間の今夜9時からノルウェーの首都オスロで行われ、日本被団協の田中熙巳代表委員が20分間のスピーチを行う。ノルウェーノーベル委員会の委員長は受賞理由について、“世界で核の脅威が高まる今、核兵器の恐ろしさを誰よりも知る被爆者たちの声を聞くべきだ”としてきた。ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領は先月核兵器の使用基準を大幅に引き下げて、核の非保有国から受ける攻撃も核保有国の支援を受けていれば核兵器で対抗できるとして、ウクライナを支援する欧米を牽制している。中東でも10月、事実上の核保有国のイスラエルがイランの核開発計画の関連施設を攻撃したとして緊張が続いている。アジアではこの間も中国が核戦力の増強を進めているとみられ、北朝鮮もミサイル発射を繰り返しながら、7回目の核実験の準備を整えたとされている。そして米国では先月の大統領選挙の結果、核なき世界を目指すとしてきた民主党政権に代わって核抑止力の強化を主張してきたトランプ氏が政権に返り咲くことになった。核戦力を誇示する指導者には核兵器は自国も含め全人類を脅かすもので、ひとたび使えば取り返しがつかない結果をもたらすと訴え続けなければならない」とスタジオで述べた。