現地には広島放送局の諸田記者がいる。会見には海外メディアも多く出席したよう。日本からも多くのメディアが参加しただが、45分ほど行われた会見では現地ノルウェーのほか英国や韓国など海外メディアからも多くの質問が出されていた。また現地では、原爆や被爆者に関連した書籍も注目されている。平和賞に関連した展示を行うノーベル平和センターの中にある店舗では、残りが1冊になった本もあるということで日本被団協の受賞を受けて関心の高まりがうかがえる。きょうの授賞式では、田中さんはどのようなメッセージを伝えるのだろうか。こちらのオスロ市庁舎で日本時間の午後9時から行われる授賞式では日本被団協の3人の代表委員が登壇し、このうち田中熙巳さんが20分間演説を行う。田中さんは長崎に投下された原爆で5人の親族を亡くした経験などをもとに被爆の実相や核兵器の非人道性を伝えるということ。記者会見で田中さんは「核兵器を使うことが軽く語られるような時代になったことは私たちにとって遺憾で悲しい思いがする」というふうに話していた。あのような経験をもう二度と誰にもさせてはならないという被爆者たちの思いをどのようなことばで訴えるのか、被爆地、そして世界が注目することになる。